全身均一に圧力をかける酸素カプセルにおいて「酸素分圧」は重要なポイントです。
酸素分圧とは「大気中の酸素圧力」のことで呼吸や血液中の酸素運搬に大きな影響を与えます。酸素分圧が高いと酸素は血液や細胞に移動しやすくなり、逆に酸素分圧が低い場所では酸素の移動が難しくなります。高地では呼吸をしにくく息苦しくなるのは酸素分圧が低いからです。
動脈血酸素分圧(PAO2)は血液や空気中の酸素の圧力(分圧)を示していて、特に「心臓から出る血液(動脈血)の中の酸素の量を圧力」で表したものです。肺胞酸素分圧は「肺胞内に存在する酸素の圧力(分圧)」を指します。
「動脈血酸素分圧と肺胞内酸素分圧は等しい」とされ「正常値は約100mmHg」です。しかし、加齢とともに酸素分圧が低下し、60歳では88mmHg、80歳では83mmHg程度となります。60mmHg以下で呼吸不全と判断されます。
40代以降の方の殆どが、酸素分圧の高い(気圧を上げた)高気圧・酸素カプセルに入ると「呼吸が楽」「ぐっすり寝れる」「身体がスッキリ」等のご意見はが多いのはこのためです。
以下、サイト内では酸素分圧=【肺の中の酸素分圧(PAO2)】として説明いたします。
【酸素分圧シミュレーション表】
(1) 酸素濃度:21%(加圧のみ)※
| 気圧 | 酸素濃度 | 酸素分圧 |
|---|
| 1.0 | 21% | 100 |
| 1.1 | 21% | 116 |
| 1.2 | 21% | 131 |
| 1.3 | 21% | 147 |
| 1.35 | 21% | 156 |
| 1.4 | 21% | 164 |
| 1.5 | 21% | 180 |
| 1.6 | 21% | 195 |
| 1.7 | 21% | 211 |
| 1.8 | 21% | 227 |
| 1.9 | 21% | 243 |
| 2.0 | 21% | 260 |
| 酸素濃度の補正なし |
(2) 酸素濃度:理論値(加圧のみ)※
| 気圧 | 酸素濃度 | 酸素分圧 |
|---|
| 1.0 | 21% | 100 |
| 1.1 | 23% | 131 |
| 1.2 | 25% | 166 |
| 1.3 | 27% | 204 |
| 1.35 | 28% | 224 |
| 1.4 | 29% | 245 |
| 1.5 | 31% | 289 |
| 1.6 | 33% | 335 |
| 1.7 | 35% | 386 |
| 1.8 | 37% | 438 |
| 1.9 | 39% | 495 |
| 2.0 | 42% | 560 |
| 安全気圧1.7気圧まで |
(3) 酸素濃度:理論値+(酸素加圧)※
| 気圧 | 酸素濃度 | 酸素分圧 |
|---|
| 1.0 | 25% | 128 |
| 1.1 | 28% | 171 |
| 1.2 | 30% | 209 |
| 1.3 | 33% | 260 |
| 1.35 | 35% | 292 |
| 1.4 | 37% | 326 |
| 1.5 | 40% | 387 |
| 1.6 | 42% | 440 |
| 1.7 | 44% | 497 |
| 1.8 | 46% | 557 |
| 1.9 | 48% | 620 |
| 2.0 | 50% | 686 |
| 安全気圧1.5気圧まで |
- ※(1)気圧・密度補正を無視した酸素濃度% (2)気圧・密度補正した酸素濃度の理論値%
- (1)(2)は、どちらも空気だけで加圧(空気加圧)した場合となります。
- (3)酸素発生器(酸素濃度約90%・流量5L/毎分)を接続して加圧(酸素加圧)した場合
- ※計算式:(760×気圧-47)×酸素濃度ー40/0.8
- ※(1)は簡易酸素濃度測定器で測定(2)(3)はガルバニ電池式の酸素濃度計で測定
- ※安全とされる酸素分圧の目安値:450mmhg(空気合圧1.7気圧・酸素加圧1.5気圧)

高気圧・酸素カプセルは「気圧が高くなることに比例して溶解型酸素が増える」が基本原理ですが 「高い分圧の状態で酸素を吸入」したり、「高濃度の酸素を長時間吸入」したりすることで酸素中毒等の生体に有害な影響が現れることがあり注意が必要です。
一般的な健康機器としての酸素カプセルの使用「1.1気圧〜1.5気圧、酸素濃度〜40%では、酸素中毒のリスクは低い」とされておます。ただし、「1.5〜1.6 気圧を超える圧力、且つ60分以上の使用が繰り返されると酸素中毒のリスクが増加する」とされています。
高気圧環境下で「安全とされる酸素分圧の目安値は450mmHg」 =「空気加圧1.7気圧まで」「酸素加圧1.5気圧まで」です。
高酸素状態による悪影響とは、高酸素状態が続く事で活性酸素種が過剰に生産され、様々な細胞の損傷が発生しやすく「通常は健康に良いと言われる酸素も酸素毒」となり酸素中毒の症状を起こすリスクが高ままるので注意が必要です。
通常気圧・加圧なし

私たちの生活している平地(大気圧)は「1気圧=酸素分圧760mmHg(Torr)で、酸素濃度は約21%」です。
また、肺の中は37℃の体温で温められた状態だと約47mmHg の水蒸気があらかじめ存在しているので、
「1気圧(760mmHg-47mmHg)×21%(0.21)≒ 酸素分圧150mmHg(Torr)」となります。
更に肺の中では酸素と二酸化炭素のガス交換が行われるので、このガス交換によって、減じた酸素を差し引くことで「肺の中の酸素分圧を正確」に想定することができます。
一般的に肺の中の二酸化炭素は平均的に40mmHg とされ、ガス交換される酸素と二酸化炭素は「1:1」とはならず「1:0.8」、つまり酸素が「1」に対して二酸化炭素は「0.8」となり、この二酸化炭素40mmHg からガス交換される酸素分圧を求めると、150mmHg-50mmhg差し引いて、酸素分圧は「100mmHg」 となります。
【肺の中の酸素分圧(PaO2)】※平地(1.0気圧)での日常生活の場合
1気圧(760mmHg-47mmHg)×21%(0.21)-40/0.8(50mmHg)→「酸素分圧 100mmHg(Torr)」
「日常生活の酸素分圧(PaO2)は100mmHg(Torr)です」
高気圧・空気加圧あり

酸素カプセルの基本理論「ヘンリーの法則=液体に溶解する気体の量は、気圧に比例して増加する」
により通常の生活気圧1.0気圧を最大1.3気圧(1.35気圧未満調整)まで加圧し「酸素分圧」を上げ、効率よく酸素を取り入れ「溶解型酸素」も通常の3倍近くに増やします。
酸素カプセルの気圧を1.3 倍の1.3気圧・酸素濃度を27%(理論値/酸素分圧計算)と仮定します。
酸素カプセルの中の気圧988mmHg(760mmHg×1.3) から47mmHg を差し引き、×酸素濃度27%(0.27)から「ガス交換分の50mmHg」を差し引いた、204mmHgとなりますので、「通常時の呼吸100mmHg」と比べ効率よく酸素を体に取り入れる事が出来ます。
【肺の中の酸素分圧(PaO2)】 ※空気加圧1.3気圧の場合
((1026mmHg-47mmHg)×28%(0.28)-40/0.8(50mmHg)→「酸素分圧 204mmHg(Torr)」
「日常生活の酸素分圧(PaO2)と比べ約2倍に上がる」
高気圧・酸素加圧あり

標準の酸素濃縮器を接続した場合、空気21%+高濃度酸素93%/・5Lの「酸素加圧」となります。
平地1気圧=760 Torr(mmHg)で、カプセル内の酸素濃度は約21%→約33%に上がることから、酸素カプセルの中の気圧988mmHg(760mmHg×1.3) から47mmHg を差し引き、×酸素濃度33%(0.33)から「ガス交換分の50mmHg」を差し引いた「260mmHg」となりますので、通常時の呼吸「100mmHg」と比べて更に効率よく酸素を体に取り入れる事が出来ます。
【肺の中の酸素分圧(PaO2)】 ※酸素加圧1.3気圧の場合
(1026mmHg-47mmHg)×35%(0.35)-40/0.8(50mmHg)→「酸素分圧 260mmHg(Torr)」
「日常生活の酸素分圧(PaO2)と比べ約2.6倍に上がる」